メール便の使い方

メール便は、商品輸送に適するかどうか


こんにちは、音楽雑貨店プレリュード 店長の藤岡です。
乱高下する気温に、プレリュードの事務所では暖房器具をしまえずにいます。どこのご家庭でも、衣替えや季節の模様替えができずに大変だと思います。はやく天候が落ち着いて欲しいですね。

 

さて、プレリュードのお届け方法も、いまの気候のように変節〜試行錯誤を経ながら、都度見直しを行ってきているのですが、またもや4月1日から新しい変更を実施しました。あまり仕様変更を重ねると『わかりにくい!』とのお叱りをお客様から戴いてしまうのですが、今回は、お客様からのご要望の多かった、「メール便」の取扱いを始めたものです。
でもこれにはホントに紆余曲折がありました。

 

通販というのは、どうしても「荷造送料」が掛かってしまいます。もちろん実店舗に買い物に行くのにも、交通費がかかりますから、「送料」だけが一方的に高くなる要素ではないですし、『持ち帰らずに自宅まで届くのが便利』ということで積極的に通販をご利用下さるお客様もいらっしゃいます。でも一般的に、お出掛けに掛かる交通費よりも「送料」は共感が得られにくいので、「送料」に対する割高感は通販にとって大きなネックとなっているのです。

そこで送料を如何に安くして、お客様のご負担感を軽減できるか、というところを考えていくと、封筒サイズの書類や小さな商品を、全国一律の安価な費用でポスト配達できるメール便サービスが脚光を浴び、通販業界でも採用されるようになってきました。でもプレリュードでは、長い間メール便の採用に踏み切れずにいたのです。

というのは、宅急便とメール便は値段が違うだけでなく、サービスの本質が異なるからなのです。
一般の方々は、宅急便よりもメール便の方が「送料が安い」と漠然と比較しているわけですが、輸送に掛かるコストの本質には、

 

  ● 運ぶための運送料
  ● 荷物を壊さないための荷造&資材
  ● 万が一の時のための輸送保険
  ● 受渡しの確認

 
といった要素が存在します。貿易などではこの辺りの条件が契約で明確に定義されますし、当社でも「特定商取引法に関する表示」で厳格に取り決めています。でもメール便には運送料以外のものが一切含まれず、輸送事故は不担保になるのですが、実際には有る程度の頻度で輸送事故が起こってしまうのです。

 

メール便の本来の使い方は、カタログやパンフレットを大量にお客さんに発送するとき、例えば1%で配達トラブルが発生して自費で再送しなくてはいけなったとしても、残りの99%が安い運賃で届くなら、トータルでその方がお得だ! という発送者側のメリットを追求するサービスなのです。でも「1つの商品」だけを受け取るお客様が、トラブルで受け取れなくなって、泣き寝入りしなくてはいけなくなるとしたら、商品の輸送方法として不適切なのではないか、そう考えて、プレリュードではメール便の採用に躊躇してきました。ですから、いまでも余りおすすめは致しません。

 

ですが、2,000円くらいの比較的安価な商品を買うときに、例えば北海道や九州のお客様ですと、宅急便とメール便とで最大870円の差額が発生してしまいます。そんなケースでは、870円の出費を輸送保険のためだと考えても、ちょっと割りきれないですよね。2,000円の商品が受けるかもしれない損害のリスクと、それを補償するための870円の追加出費を天秤に掛けたとき、補償のための追加出費はもったいないようにも感じます。こんな時には、メール便はとってもリーズナブルなのかも知れません。

 

そんなわけで、商品に輸送トラブルが発生した場合のリスクを考慮しながら、宅急便からメール便発送に変更して安くなる金額と、商品の価格とを天秤に掛けてみて、お客様にとってリーズナブルと思える方法をご選択いただければと思います。なお、メール便が使える商品には、「発送オプション・メール便可」という表示をするように、お店ページを更新中です。表示が完備されるまで今しばらくお時間下さい。