5人囃子の笛太鼓

お囃子は日本の音楽

こんばんは、音楽雑貨店プレリュード・店長の藤岡です。
今日は3月3日。
局地的には某大学で教鞭を執るK田先生(A.Sax)のお誕生日ですが、全国的にはひなまつりですね。和菓子屋さんも、洋菓子屋さんも、店の前に行列ができて忙しそうでした。

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3月は卒業ギフトシーズンでもあるためプレリュードでも多忙を極めまして、例年、気付くとひな祭りはとっくに終わっているパターンだったのですが、今年はどうして、少し早めに帰宅しまして、雛飾りを前にちらし寿司を食べてみました。
そんな和の雰囲気の中で、たゆたゆとしていると、嬉しいとか楽しいとかいう感覚はないのですが、雅やかで落ち着いた気持ちになれるのですが、これは日本人のDNAの影響でしょうか? いえいえ、それだけでなく、ひなまつりの雰囲気を支配する何かが別にあると感じるのです。それは音楽だと思います。

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日本人なら誰しも知っている「ひな祭りの歌」が、きっと桃の節句の雰囲気を決定する重大要素に違いありません。
うたの出だしは上品で雅やかな感じで 「灯りを付けましょぼんぼりに・・・」 その後も優しくもちょっと物憂げな感じでセンチメンタルな感じがとっても日本的です、よくよく考えれば短調だったんですよね。
極めつけは 「今日は楽しいひな祭り・・・」 という短音階。 特にきっちり音程をあてて 《ひ・な・ま・つ・り》 という音列を歌唱すると、美しい音楽なのですが、ちっとも楽しそうではありません。むしろ明日からとても憂鬱になってしまいそうな勢いです。
これは、サザエさんの終わりの歌(特に間奏部のフルートソロ)を聴くと、「明日からまた学校だ〜」とブルーになる子供の情景と相通ずるモノがあります。

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そこで、『この曲の雰囲気を改善すれば、ひな祭りももっと賑やかになるかも知れない!』
そんな思いつきで長調にしてひなまつりを歌ってみました。
最初から明るい雰囲気の曲にになりましたが、
もちろん最後も思いの丈を込めて長音階で「きょうはたのしいひなまつり!」 
全曲を通して、すごく楽しそうに活発なイメージになりました。(ぜひ皆様も試してみてください。)

来年からは長調バージョンで行けばいいじゃない〜経済効果も大きくなりそうだ!
と思いきや、長調にすると肝心の和的で雅やかな雰囲気まで消し飛ぶことにも気付きました。
歌詞では楽しいと云いながら、音楽は楽しくないと云っている、この矛盾はどのように解釈すればよいのでしょうか?

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思えば、お年玉もらえてはしゃぎまくっていたお正月に比べ、次なるひな祭りでは、ひなあられがもらえるだけで、今ひとつはじけきれない(もとい、雛飾りの近くでは暴れると怒られる)ので、嬉しいのに楽しみきれない〜そんな葛藤を子供心に感じていたような記憶があります。
つまり、名曲「ひなまつり」は、こんな揺れ動く童心までもが折り込まれた傑作なのかもしれません。
 
音楽って、本当に奥が深いですね。